「セミの羽化って、写真で見たことある、キレイだけど滅多に見られない貴重なもの。」というイメージありませんか?
実は、そうでもないんです。
時期とコツさえおさえれば、誰でもカンタンに見ることができます。
セミの羽化は、本当に美しくて神秘的。ついつい、魅入ってしまいます。
ちょっと時間を見つけて、近くの森や林にでかけてみませんか?
準備
- 虫よけ:出かける前にしっかりと虫対策しよう。
- 懐中電灯:どんなのでもいいですが、最近のLEDの明るいやつがオススメ。
- 足元:上を見ながら歩くので、サンダルだと危ないです。靴をはきましょう。
タイミング
- 7月下旬の、蒸し暑い、雨の降っていない日が狙い目。
- 「最近、セミの声を聞くようになったなぁ」くらいの時期が良い。早すぎると羽化する個体が少なくて見つけづらいし、遅いともうみんな羽化しちゃった後。うまくすると2週間程度は十分に楽しめます。
- 時間は20:00以降。21:00前後くらいだとちょうどクライマックスが見られるかも。
場所
普段、セミがよく鳴いている木立が狙い目。
木が多く生えている神社の境内などが、足元も安全で観察しやすいです。
セミの探し方
- セミの幼虫は、木の周辺の地面から出てきます。踏んでしまわないように、足元に気をつけて。
- 幼虫が地面から出てきた場所には穴があいています。比較的新しい穴が見つかれば、その近くの木で羽化している可能性が高いです。
- 木の根元から、高さ5〜6mくらいまでを、懐中電灯で照らして探します。羽化が始まっていれば、真っ白な体が懐中電灯の光に照らし出されて光り輝くように見えるので、すぐに見つかります。
- 見つからなければ、さっさと次の木へ移動。
観察のポイント
- 羽化の過程を観察しましょう。どの部分から、どのようにして成虫が出てくるのか?羽はどんなふうに折りたたまれているのか?など、不思議に思うことは、その目で確かめましょう。
- 一つの個体の羽化を、最初から最後まで観察するのはタイヘンです。羽化は通常2時間、もっと長くかかる場合があります。ですので、いくつかの羽化中の個体を探して、順番に回りながら観察すると、短時間で楽しむことができます。
- セミの一生でもっとも危険なのは、土中から出てきた幼虫が、木の上で羽化して飛べるようになるまで、の間です。幼虫は動きがのろく、大した武器ももっていません。羽化中は完全無防備です。ですので、そんなセミの無防備な時間帯を狙っているヤツラがいます。どんなヤツラが狙っているのか、そこも観察しましょう。
注意事項
- 子だけで夜出歩いてはいけません。かならずおうちの大人と一緒に探しに行きましょう。
- 暗いので足元に注意して。転んだりしないように、注意しよう。
- 夜遅いので、大声を出したり、ふざけてはいけません。
- 自然の摂理に人間が手を加えてはいけません。もし、幼虫や羽化中の成虫が、何かに襲われている場面に遭遇しても、絶対に手を出したり、助けたりしないでください。襲う方も生きるためにやっているのです。
夜の森や林は、昼間とはぜんぜん違う表情を見せます。ぜひ、知らなかった新しい自然の一面を探してみてください。